2012年第1回定例会 意見書

北朝鮮に「ロケット」発射計画の中止を求める決議

 北朝鮮政府が、4月12日から16日の間に「実用衛星」を打ち上げると発表したことに対して、世界とアジア諸国から強い批判と懸念の声が広がっています。
 何よりもそれは、2009年6月12日に全会一致で採択された国連安全保障理事会決議1874号に違反するものです。同決議では、2009年5月25日に実施された北朝鮮による核実験を強く非難するとともに、「北朝鮮に対し、いかなる核実験または弾道ミサイル技術を使用した発射もこれ以上実施しないことを要求する」と述べています。すなわち、国連安保理決議は、「弾道ミサイル」だけでなく、「弾道ミサイル技術を使用した発射」をこれ以上行わないこと、その技術を使用した「人工衛星」であろうが、発射を中止するように強く求めています。
 それは、北朝鮮が、国連安保理決議に違反して2度にわたる核実験を強行したという深刻な事実を踏まえての国際社会の重い決定です。
 今回の「ロケット」発射について、北朝鮮政府は「宇宙空間の平和的開発と利用は、国際的に公認されている主権国家の合法的権利」、「衛星の打ち上げは、主権国家の自主権に属する問題」と述べていますが、こうした議論は通用しません。
 北朝鮮が、「ロケット」発射を強行するならば、国際社会が行なってきた朝鮮半島の非核化にむけた外交努力を損ない、東アジアの平和と安定に対する重大な逆流をつくることになります。
 それは、北朝鮮自身にとっても決して利益とならない道です。
 よって、清瀬市議会は、国会及び政府に、北朝鮮に対して国連安保理決議を遵守し、6ヵ国協議の共同声明に立ち返り、「ロケット」発射計画を中止することを求めることを決議します。

平成24年3月27日                          

清瀬市議会

障害者生活総合支援法を撤回し、障がい者の意見を反映した新法の制定を求める意見書

 自民・公明政権が2006年に導入を強行した障害者自立支援法は、障がい者が生きていくために不可欠な支援サービスを「益」とみなして、障がい者に原則1割負担の「応益負担」を強いる過酷な制度です。全国の14ヶ所の地方裁判所で障がい者とその家族などが「生存権の侵害であり、憲法に違反する」と違憲訴訟に立ち上がり、幅広い国民的なたたかいが急速に広がりました。
 2009年の総選挙で民主党は障害者自立支援法の廃止を公約に掲げ、政権交代後には原告・弁護団と、障害者自立支援法が「障がい者の人間としての尊厳を深く傷つけたことを心から反省」と明記した「基本合意文書」を結び、障害者自立支援法の廃止と新法制定の実施を約束し、新法制定の際には障がい者の意見を反映していくことも盛り込まれました。
 障がい者が当事者として会議メンバーに加わった障がい者制度改革推進会議と総合福祉部会が政府の推進本部のもとに設置され、昨年の8月には総合福祉部会が新たな法制度の「骨格提言」を取りまとめました。障害者権利条約と違憲訴訟での基本合意を踏まえ、障がいのない市民との平等と公平、すべての障がい者を対象にした施策の充実、経済協力開発機構(OECD)諸国並みの安定した障がい者福祉予算の確保を柱に、障がいにともなう必要な支援サービスは原則無料を打ち出すなど障がい者の願いを集約したものとなりました。
 しかし、厚生労働省が先日示した法案の概要は、障害者自立支援法廃止を反故にして名称を「障害者生活総合支援法」に改めて現行法の一部手直しにとどめるものになっています。これまで障がい者福祉サービスの対象外だった難病患者に一部適用を拡大しますが、障がい福祉サービスの原則無料化は見送っています。さらに、「骨格提言」が廃止を求めていた「障害程度区分」もそのまま残り、障がい者の生活実態や支援の要望が反映されない仕組みを残す改正となっています。
 障害者自立支援法を廃止することは民主党の公約というだけでなく、政府として障がい者・原告・弁護団と文書で交わした約束です。違憲訴訟の原告からは、「基本合意を信じて裁判から手を引いた違憲訴訟団を踏みにじる行為だ。裏切りだ。」という怒りが広がっています。裁判の和解項目を国が否定するという行為は許されるものではありません。
 よって、清瀬市議会は国会及び政府に対し、2013年4月施行を目指すとして今国会に上程する予定の「障害者生活総合支援法」を撤回し、違憲訴訟の「基本合意」を完全に実施するため、障がい者を保護の対象から権利の主体へと転換することを理念にする「骨格提言」にそった新しい法律を制定することを求めます。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出します。

2012年3月27日

清瀬市議会


介護時間短縮の撤回を求める意見書



 高齢化社会をむかえるなかで介護サービスの需要は高まり、介護保険制度への期待が集中しています。現在、虚弱高齢者をはじめ認知症また、独居者や高齢者のみ世帯などが増加傾向にあるなかで高齢者などの生活実態にあったサービス提供が今後においても重大な課題となっています。
ところが、厚生労働省は4月からの介護報酬改定で調理や生活援助の基本的提供時間を60分未満から45分未満に短縮しようとしています。
 同省は報酬改定の説明のなかで、「洗濯時間は16.6分」など「調査」を根拠に生活援助の時間短縮を図るとしましたが、すでに訪問介護ヘルパーなどから「これでは洗濯機も回せない」など実態とのかい離を指摘する声があがり、国会での審議でも、調査自体に問題があることが指摘をされ、時間短縮の根拠も崩れています。
 そのうえ、同省は、「買い物」についても条件をつけ、ヘルパーが利用者宅を訪問する前に行ってもよいように見直す検討をしていると述べています。現行では、ヘルパーが利用者宅を訪問し、安否を確認してから買い物に出かける規定になっていることを遵守すべきです。
 介護利用者は、生活援助ヘルパーのサービスをうけて生活が維持できている人が少なくありません。また、こうした方が今でさえも時間が足りないと言う声があるにも関わらず一方的な介護時間の短縮は利用者の生活実態を無視するものであり、生活そのものが阻害される問題です。
 よって、清瀬市議会は国会及び政府に対し、高齢者、障がい者などの命の尊厳を重視し、介護利用者が安心して介護サービスが受けられるよう介護時間の短縮について撤回することを求めます。
 以上、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出します。


2012年3月27日

清 瀬 市 議 会 

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