2009年第4回定例会 市議団が提案した意見書

2009年第4回定例会 意見書

保育所面積基準を緩和せず、保育所増設を求める意見書(案)

  •  国が定める保育所の最低基準について厚生労働省は、保育室の面積基準を緩和する方針を示しました。「待機児童が解消するまでの一定期間、大都市のみ」としていますが、「都会は劣悪な環境でしか保育が受けられないということか」と保育関係者からは懸念する声があがっています。
  •  認可保育所面積の最低基準は、憲法第25条に基づき、子どもに「健康で最低限度の生活」を保障するものであり、これを下回ることは許されません。現在の最低基準は敗戦直後の1948年に定められたもので、極めて低いものです。経済の進展や国民生活の向上にあわせ高められるべきと位置づけられながら、政府がその努力を怠ったため、保育室面積は61年前のままです。厚労省の委託研究でも、諸外国と比べて面積、保育士配置とも低く、保育室は少なくとも1、2倍以上に改善が必要だと指摘されています。
  •  真っ先に行うべきことは保育所の増設であり、面積基準が緩和されれば既存の保育所に今以上に子どもが詰め込まれ、一日の大半を保育所で過ごす子どもたちの育ちに重大な影響をもたらしかねません。
  •  保育施設などで急死した子どもの遺族、弁護士らでつくる「赤ちゃんの急死を考える会」の調べでは、認可保育所での乳幼児の死亡事故が2001年度以降の8年間で22件と急増しています(2000年度までの40年間は15件)。当時は「待機児童ゼロ作戦」で認可保育所への定員以上の詰め込みや保育士の非常勤化が推奨された時期であり、「規制緩和と事故増加の因果関係を政府が調査することなしに、さらに基準を緩めることは許されない」と指摘しています。
  •  また厚労省は、医務室や園庭、建物の耐火基準、避難設備などの最低基準を撤廃し、自治体が独自に定めるとしています。これでどうやって子どもの命と安全を守るのか、厳しく問われます。
  •  待機児童解消に求められるのは基準緩和でなく、保育予算を抜本的に増やし、国が責任を持って保育所整備計画を示すことです。自治体によって保育所整備や質の向上に大きなばらつきが出る危険をつくるべきではありません。
  •  よって清瀬市議会は、子どもの健やかな発達を保障する保育所面積基準を緩和せず、国が責任を持って保育所増設を進めるよう求めます。
  •  以上、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出します。
  • 平成21年12月21日
  • 内閣総理大臣
  • 厚生労働大臣  宛て

清瀬市議会

  • 【採択】

雇用対策の緊急支援を求める意見書(案)

  •  厚生労働省の調査では、解雇や雇い止めで仕事を失った人のうち、年末までに雇用保険の失業給付が切れるのは約39万人、そのうち約6割は再就職できず収入が途絶える見込みで、年末年始に約23万人への支援が必要なことが明らかとなった。9月の「完全失業率」は363万人、失業給付を受けているのは失業者の4人に1人で、もともと失業給付が受給できない人もたくさんいる。失業者が寒空のもと路頭に迷うことのないよう、支援を強めることが急務である。
  •  45歳未満の失業給付の受給期間は被保険者期間が5年未満なら失業理由に関係なく90日だけである。今年3月末の雇用保険法の改正で給付を60日延長できるようになったが、「非正規切り」に遭った労働者が90日の受給後に60日延長されたとしても、10人の求職に4人分の求人しかない最悪の雇用情勢のもとでは“焼け石に水”である。仕事を見つけられないまま失業給付切れに陥る人が、今後も続出するおそれがある。
  •  昨年の年末の「年越し派遣村」のような事態を繰り返さないためには、政府の責任で雇用対策を早急に行うことが求められる。
  •  したがって、清瀬市議会は、一人の失業者も路頭に迷わせないために、以下の項目の実施を早急に行うことを求めるものである。

  • (1)政府の決断で政令を改め、数兆円に上る雇用保険の積立金を活用し、全国的に失業給付の給付日数を延長する「全国延長給付」を直ちに発動する。 
  • (2)生活や就労への支援を拡大するため、雇用保険料で建てた「雇用促進住宅」の全廃方針を白紙撤回し、積極的に活用する。
  • (3)失業者が1ヶ所で仕事と生活、住宅などの相談ができる「ワンストップ・サービス」を一部地域での実施に留まらず、早急に拡大していくこと。
  •   以上、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出する。
  • 2009年12月21日
  • 内閣総理大臣 宛
  • 厚生労働大臣 宛

清瀬市議会

  • 【採択】 



扶養控除の廃止を行わないよう求める意見書(案)

  •  鳩山内閣は、政府税調に重要事項を審議する「企画委員会」を置き、その責任者である峰崎財務副大臣は、11月10日の記者会見で、「子ども手当と絡むのは(所得税の)扶養控除だ。その関係については、来年度ぜひ同時に改正するという方向で議論していく。」と明言し、扶養控除の廃止を、来年度税制「改正」で先行実施することを繰り返し示唆している。
  •  扶養控除の廃止で「子ども手当」の財源を確保するやり方では、手当をもらえる中学生以下の子のいない世帯で、23~69歳の扶養家族がいる世帯には一方的な増税となる。また、子育て世帯にとっては、子ども手当が支給される代わりに現行の児童手当が廃止され、所得税が増税されることになる。子ども手当がもらえることになっても、増税と給付減の影響で、月額26,000円の効果も大幅に縮小されることになる。扶養控除廃止による所得税の増税は、保育料や都営住宅の家賃などが値上げの対象となり、子育て世帯にとっても「雪だるま式」に負担増がもたらされる。さらに、政府税調では、住民税の扶養控除の見直しも議論となっている。住民税の扶養控除が廃止され、住民税が増税された場合には、さらなる「雪だるま式負担増」が拡大し、影響はさらに広がることが予想される。
  •  子育て支援の手当の拡充は重要な施策である。しかし、増税と抱き合わせの子ども手当の支給は行うべきではない。庶民増税に頼るやり方ではなく、大企業にも社会的な責任を税制の面でも果たしてもらうよう「応能負担」の原則にもとづいた税制への転換を求めるものである。
  •  よって、清瀬市議会は政府に対し、子ども手当の財源として扶養控除の廃止を行わないよう求めるものである。
  •  以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
  • 2009年12月21日
  • 内閣総理大臣 宛
  • 財務大臣   宛

清瀬市議会

  • 【採択】 

米軍の普天間基地撤去を求める意見書(案)

  •  沖縄県民に重大な犠牲を強いてきた米軍普天間基地の撤去をめぐり、鳩山政権は、県民・国民の声に応え抜くことが求められています。
  •  1972年の沖縄本土復帰時点で普天間基地は、ヘリ基地でもなく大きい滑走路もありませんでしたが、その後、何度も他の沖縄米軍基地の返還に伴う基地機能の移転などがおこなわれました。世界一危険な普天間基地は、代替施設を求めるという県内たらい回し政策の結果です。
  •  宜野湾市の住宅密集地に広大な面積を占める普天間基地の撤去が、県民の安全にとっても暮らしにとっても、一刻の猶予もならないことははっきりしており、即時閉鎖が必要です。
  •  長い間、県民は基地の県内たらいまわしに反対し、名護市での新基地建設も計画が持ち上がってから13年間にわたって、杭(くい)一本打たせてきませんでした。嘉手納基地への統合も、今でさえ深刻な爆音などの被害を加速するだけで、県民に歓迎されないことは明らかです。
  •  最近の世論調査でも、7割近くの県民が普天間基地の撤去を求め、アメリカが求める名護市での新基地建設にも、米軍嘉手納基地への統合にも反対しています。
  •  アメリカがゲーツ国防長官の来日などを機に新基地建設を条件とする圧力を強めています。
  •  しかし、日米安保に対する見解の違いを超えて、「小さな沖縄にもう新基地をつくる場所はない」というのが県民の総意です。
  •  世界では国民の意思を背景に交渉で外国の基地を撤去した例が少なくありません。
  •  鳩山政権は県民の意思を踏まえ、普天間基地の撤去を求め、アメリカ政府と正面から交渉すべきです。
  •  よって、清瀬市議会は、政府に対し、普天間基地の撤去を正面からアメリカ政府に求めるよう要望します。
  • 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出します。
  • 2009年12月21日
  • 内閣総理大臣 宛
  • 外務大臣   宛

清瀬市議会

  • 【自民、公明が反対して不採択】
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